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Date added: 2.2.2015
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私は幼少年期、自分の“性格”について猛烈に悩んできた。成人してからは、一部の親しい友人以外と学校で話せなかった自分の“性格”を、性格以上のある種の“障害”と認識してきた。しかし、それが何か分からず、心の片隅に澱のようにわだかまり続けてきた。その疑念が、「緘黙(場面緘黙症)」という言葉と出会うことにより数十年ぶりに氷解した。私はある種の感動を覚え、それを物書きの端くれとして表現したいと思った。その日以来、私と「緘黙」とのつき合いが始まった。私は自身の緘黙体験をまとめるとともに、More私は幼少年期、自分の“性格”について猛烈に悩んできた。成人してからは、一部の親しい友人以外と学校で話せなかった自分の“性格”を、性格以上のある種の“障害”と認識してきた。しかし、それが何か分からず、心の片隅に澱のようにわだかまり続けてきた。その疑念が、「緘黙(場面緘黙症)」という言葉と出会うことにより数十年ぶりに氷解した。私はある種の感動を覚え、それを物書きの端くれとして表現したいと思った。その日以来、私と「緘黙」とのつき合いが始まった。私は自身の緘黙体験をまとめるとともに、私と同じような数名の緘黙経験者の話を聞き、さらに「緘黙研究の父」とも呼べる故・山本実氏の著書『「学校かん黙」事典』との出会いをきっかけに、氏の足跡をたどるべく陸奥へ足を運んだ。本書が緘黙の認知、理解、さらに教育現場での支援体制構築へ向けた一助となり、一人でも多くの緘黙児が救われることを願う。発表から7年がたち、ロングセラーを続ける本書に、緘黙児への投薬の問題を新たにつけ加え、読みやすい縦書きにして改訂版とした。―目 次―Ⅰ.緘黙って何? 1.緘黙って何? 2.緘黙経験者たちとの出会い 3.故山本実博士 Anata no Tonari no Hanasanai HIto Kanmokutte Nani Kaiteiban by Kitano Kei